コンクリート内X線探査(レントゲン)

コンクリート厚さ400mm程度まで

コンクリート内部の鉄筋・電気配管等を正確探査できます

作業に関する注意事項

作業写真

  • 1回の撮影時間は10秒程度(コンクリート厚さにより異なる)
  • 1回の撮影範囲は縦200mm×横200mm程度になります。
  • 他種業者との同室内平行作業は行えません。
  • 弊社独自の規定として散乱線による被爆災害を最少限にする為、立入禁止エリアを規定以上に広げて作業を行います。
  • 探査はX線発生装置とフィルムによりコンクリートを『はさむ』ことになりますので、事前に天井開口や点検口の設置物の移動等、対応お願い致します。

コンクリートは内部で強度が低くなっていることがある

コンクリート造りの構造物というのは、非常に強度が高く信頼性が高いものです。
しかし、それも劣化などの影響が生じていないことが条件となります。
コンクリート、そして内部の鉄筋が破損していたり、劣化していたりすれば強度はかなり落ちてしまいます。

注意点

ここで注意しないといけないのが、特に外観は全く問題がないものの、内部の鉄筋などの強度が低くなってしまっているという問題です。

日本においては強い地震が各地で生じて、建造物に大きな被害をもたらしてきました。鉄筋コンクリート造の建物や橋梁などは、強度が高いので崩壊することはほとんどありません。しかし、内部の鉄筋にダメージが生じ構造物全体の強度を下げてしまうという事象が行っている可能性があります。また、コア削孔工事をする時に鉄筋を切ってしまうこともあります。こうした大きな被害とまでいかなくても、既存建物の改修をする際に、内部のケーブルや配管などを破壊してしまうこともあります。

このような事態を避けるためにも、コンクリートの内部を探査するという事前作業が重要になってくるのです。実際に、様々な重要施設、公共機関やデータセンター、病院などで改修工事を行う際に、事前に探査をする事例が多くなっています。

X線探査の内容

病院でレントゲン検査をするのと同じように、X線の原理をつかってコンクリート内部の状態をチェックするのがX線探査です。

上記のようなトラブルを防ぐために、内部の配管やケーブルの位置を把握することができますし、コンクリートと鉄筋の状態を確認できます。

具体的には、コンクリートの裏側に特殊なフィルムを張り、そこにX線照射機から出される映像が映されるというものです。

X線探査のメリットとは?

現物の埋蔵物を目視で確認できますので、配線などの種類と場所、数を正確に、かつ簡単に観分けられます。
それにより、切断事故を防止できます。 鉄筋と電線などの埋設物との区別ができ、しかも弱電か強電かなどの種類判別も可能です。
また、最短で数十秒からと、瞬時に撮影ができますし、実績が豊富で安定した質の探査ができます。

X線探査のデメリット

350㎜までの厚みにしか対応できません。

また、探査装置を置くことができないほど、スペースが狭いところでは使えないというデメリットもあります。
放射線を使いますので、安全管理を徹底することが求められますし、他の方法よりも多少コストがかかります

サワケンのX線探査の特徴

X線探査にもいくつかのタイプがありますが、サワケンでは「Vita CR」という機器を使用しています。
この機器を使うと、撮影した画像をモニター上に映し出せるという利点が生まれます。
従来の装置だと、実際にフィルムによる現像処理をしないといけないので、環境に悪影響をもたらす化学薬品を使わないといけません。
また、処理の時間がかかるというデメリットがあります。

サワケンの手法について

その点、サワケンの手法であれば、現場でほぼリアルタイムに正確かつすぐにチェックができるのが特徴です。
また、内部の鉄筋や配管などの位置を、その場で比較することができますので、間違いのない工事が可能となります。

サワケンでは、こうしたメリットが多いためX線探査による調査に力を入れています。
レーダーを使った探査の方法もありますが、X線探査の方が電線などの内部にあるものの位置を正確に確認できるので、コア工事をする際などに高精度の解析を提供できるのがメリットです。

X線探査における準備作業

実際にX線探査作業そのものを始める前に、所定の準備をして的確かつ安全な作業ができるようにしていきます。

  1. 作業スタッフや関係者との打ち合わせを実施します。
  2. 朝礼において、危険予知予測をしたり初めて現場に入るスタッフに研修を行ったりします。
  3. 探査をする場所のチェックを図面上で行ってから、現場でも確認作業をします。
    ここでは、装置を設置したり、探査箇所の裏のフィルム貼付スペースをチェックしたりします。
    作業に必要な機器や資材を持ち込むためのルートを、現場入り口から探査箇所まで確認して決定します。
  4. 確認作業が終わったら、定められている搬入ルートに従って作業場所まで運びます。
  5. そのまま、機器のセッティングなどを開始します。漏電ブレーカーや電源の確保をして、X線発生器を取り付けます。
    壁に直接固定する場合は専用のリフトを用い、床に置く場合には架台を使用します。
  6. 全体の位置を考えながら、コントローラーやフィルム位置確認、配線接続などをして、機器の準備を完了します。
  7. X線探査では放射線を使うため、安全管理も欠かせません。
    まず、装置から半径5m、フィルムから1mの間隔を開けて立ち入り禁止エリアの指定をします。
    そして、確実に禁止区域に確実に人がいないのを確認します。

X線探査の本作業と完了作業

  1. 立ち入り禁止区域内に人がいないことを再度確認します。
    その上で、エレベーターや階段、他の場所からの人の立ち入りがないことを確かめます。
  2. さらに、無線でスタッフ間での確認作業を行います。
  3. 安全が確かめられたら、X線を照射して撮影をします。
  4. 出力を調整するために何回か試し、本撮影を必要な面積や回数に応じて実施します。
    この際、現像処理の必要がある場合は、暗室を持つ専用車両で現像します。
    関係者と、埋設物の位置などをマーキングしながら確認します。
  5. その状態でコア工事ができるとういうことであれば、正確な位置を記します。
  6. もし、撮影位置では工事ができないということであれば、再度位置を変えて撮影を実施します。
  • 撮影が終わったら、機器やケーブル類の撤去、そして立ち入り禁止区域の解除をして撤収します。
  • 現場の最終確認をしてから、作業報告書を作成して提出して終了となります。